イベルメクチンにはペット用と人間用があります。
海外ではコロナに効果的であるとニュースになった後から、ペット用や家畜用のイベルメクチンを誤用して緊急搬送される人が急増しています。
そのような事態を招かないためにもイベルメクチンをゲットする際には、きちんと人間用を購入しましょう。
本記事では
・ペット用と人間用の違い
・なぜ飲んではいけないのか
・飲んでしまった場合のリスク
といった点に着目していき、同じ間違いを起こさないように注意していきましょう。
人間には疥癬や腸管糞線虫の治療薬として使う
人間がイベルメクチンを使用する場合は、寄生虫を駆除するというほとんど犬と同じ理由です。
ただ、駆除する虫が違うだけ。
人間の場合は、ヒゼンダニというダニや消化器官寄生虫である糞線虫を駆除するために使用します。
ヒゼンダニによる感染を疥癬、糞線虫は腸管糞線虫という感染名で知られています。
ヒゼンダニは人と人との接触で感染したり、畳での雑魚寝でも感染したりします。
腸管糞線虫は熱帯・亜熱帯地域で流行します。日本で言う九州南部や沖縄、奄美地方です。
犬にも処方されるイベルメクチン
イベルメクチンは、犬を飼っている人からするとごく日常的なお薬です。
理由は、フィラリア予防の薬としてワンちゃんに服用させているから。
犬が感染してしまうフィラリアは、犬糸状虫症とも呼ばれています。
蚊に刺されて感染する病気です。
犬に血管や心臓に寄生して、呼吸器障害や循環器に悪影響を与え、最悪の場合は死に至らしめることもあります。
特に犬はフィラリアに感染しやすく、飼い主は毎年薬やワクチン接種を行う必要があるのです。
その時に使用するのがイベルメクチンです。
イベルメクチンはあらゆる寄生虫を駆除する駆虫薬。
世界各国で使用されており、もちろん犬用のイベルメクチンも開発されています。
錠剤やチュアブル錠、スポットタイプ、注射タイプとさまざまなタイプがあります。
犬を飼っている人ならイベルメクチンという成分名は一度は耳にしたことがあるはずです。
犬でも飲み方を間違うと大変なことに
イベルメクチンは犬でも与え方を間違ってしまうとさまざまな副作用を引き起こします。
例えばアナフィラキシーショック、食欲不振や嘔吐、よだれの増加、下痢や軟便といった副作用です。
アナフィラキシーショックの症状には、ぐったりしたり興奮したりと急に様子がおかしくなり、痙攣する場合もあります。
毎年のように予防をしなければならない犬でもイベルメクチンでこのような副作用を生じる可能性があるなんて、ちょっと怖いですよね。
犬用のイベルメクチンはイベルメック錠という商品名で販売されており、梱包袋にも人間が食べないようにと注意喚起がされているのでくれぐれも誤用しないことです。
家畜用はさらに危険?アメリカで起きた事件とは
イベルメクチンには、人間用・ペット用の他にも家畜用があります。
牛や馬、豚の寄生虫を駆除するための薬で、酪農家にとって欠かせない医薬品なんです。
家畜用のイベルメクチンは主に注射や液状で販売されています。
さらに人間用よりも濃度が高く、人が飲むと毒になってしまう場合もあるんです。
アメリカで実際に起きた例を参考にしてみましょう。
アメリカでは酪農家を家業として営んでいる人が多く、イベルメクチンは馴染み深い薬です。
毎度家畜のために使っている薬がニュースで「コロナに有効だ」と流れれば、期待してしまいますよね。
そのためか人間用のイベルメクチンがあるを知らずに、家畜用を飲んでしまうという誤用事件が起きたのです。
前述したように、人間が動物用のイベルメクチン誤用してしまうと毒になってしまいます。
濃度が高いため、痙攣や筋肉痛、吐き気、神経障害、肝炎などを発症する危険性も十分にあるのです。
この事件をきっかけに、アメリカ食品医薬局品(FDA)はツイッターを通して国民に注意喚起しています。
You are not a horse. You are not a cow. Seriously, y'all. Stop it. https://t.co/TWb75xYEY4
— U.S. FDA (@US_FDA) August 21, 2021
日本語訳:「あなたは馬でも牛でもありません。真面目な話、やめてください」
フランクな言い回しでネタのように呟かれていますが、呆れているようにも感じますね。
このような事件を起こしてしまうのは、何ともアメリカ人らしいと感じるのは私だけでしょうか?
悪い意味ではなく、純粋に受け取って行動に移すという行動力は日本人にはないものだと思います。
どちらにせよ危険行為なので、真似をしてはいけませんよ。